今回はFXで平行チャネルを引くメリットについてのお話です。
前回は水平線の引き方を解説しましたが、水平線と比べると、斜めの線は引き方に個性が出やすく、再現性が比較的低いです。水平線の引き方についての記事をまだご覧になられていない方は、そちらから先にお読みください。


平行チャネルはチャート分析の基本中の基本で、初心者の方は正しく学べば…
- 「環境認識」
- 「エントリー戦略」
- 「決済戦略」
すべてが劇的に向上します!
ちなみに私は、平行チャネルを学ぶまでは値ごろ感のトレードが多く、5連敗や10連敗をしていました。しかし平行チャネルをきちんと理解してからは、最大で5連勝することができるようにまでなりました。トレードでなかなか勝てない初心者にこそ、平行チャネルはオススメです!
平行チャネルを引くメリット5つ

平行チャネルを引く最大の目的は、多くの市場参加者に意識される価格帯を見つけることで、環境認識をするということです!
環境認識=トレードの土台づくり
平行チャネルを引く=トレードの土台づくり
平行チャネルを引く(=環境認識をする)と次の5つのメリットがあります。上の画像を例としながら、これから1つずつ解説していきます。
平行チャネルを引くメリット① 同じ時間軸で売買するトレーダーたちによって、上下どちらにトレンドが形成されているのか判断ができる

同じ時間軸で売買するトレーダーたちによって、現在は右肩上がりのトレンドが形成されていると判断出来ます。つまりこの時間軸では上昇トレンドが発生しているので、「押し目買い」や「順張りロング」を狙っていけます。つまり、買いのみに狙いを絞ることが可能になります。
初心者は上下どちらも取ろうとするので、チャートの値動き全てが機会損失に感じてしまいます。そうなると焦りや不安、興奮によって無駄なエントリーが増え、戦略の精度が下がってしまいます。これにより資産が劇的に減っていくというのは王道ルートです。
自分の狙い…この時間軸では買いのみ狙うとか、この時間軸では売りのみ狙うというように、平行チャネルを引くことで、目線をコロコロさせずに、狙いを一方向に定めることが非常に重要です。
平行チャネルを引くメリット② 今は意識されている価格帯の中でも安いのか高いのか判断ができる

上昇トレンドだと分かり、買いを狙うことが決まりました。では、いつ買えばいいのでしょうか?
相場格言で「安く買って高く売る」という言葉があります。安いところで買って、高いところで売れば儲かる、当然のことです。平行チャネルで環境認識をすると、意識される価格帯の中でも安いのか高いのかの判断が可能になります。
具体的には、平行チャネルを引いて、上限下限の中央値のセンターラインを表示させることによって、センターラインより下は安い価格帯、センターラインより上は高い価格帯というふうに判断できます。だから、センターラインより下では積極的に買いを狙い、センターラインより上では、リスクリワード戦略を注意するとか、深追いはしないなどの判断ができるようになります。「絶好のポイントまで引き付けて待つ」、つまり「センターラインより下までは引きつけて待つ」といった判断ができるのです。
平行チャネルで安く買って高く売れる
平行チャネルを引くメリット③ 今のボラティリティはどれくらいなのか判断ができる

ボラティリティとは、値動きの激しさとか、変動幅のことです。
平行チャネルの幅が広ければ、今狙っている時間軸でボラティリティが高いと判断できます。そうであれば、1回のトレードで大きめの幅の利益が狙えます。逆に、平行チャネルの幅が狭ければ、小さな値幅を狙うトレードが増えるということです。ボラティリティの大きさによって戦略を変えることが出来ます。
平行チャネルで、どれくらいのボラティリティかを判断できる
平行チャネルを引くメリット④ そのトレンドはいつまで続くのか基準を作ることができる
上昇トレンドが発生中として、その上昇トレンドがいつまで継続するかの判断は難しいです。上昇トレンドから下降トレンドに変わったのにも関わらず、ひたすらロング(買い)をし続けていたら破産します。トレーダーには迅速な判断力が必要です。
FXではロングもショートもできるので、トレンドに逆らわないエントリーだけを狙うことで、利益を積み重ねていく。つまり、上昇トレンドの間はロングを狙い、下降トレンドになったらショートを狙わないといけません。上昇チャネルの下限は上昇トレンドが続くかどうかの基準に使えます。例えば、以下の画像をご覧ください。

上昇チャネルを明確に下抜け、サポレジ転換したら下降トレンドになった可能性が高いです。トレンド転換を感じたらロング目線からショート目線に変える準備が必要です。つまり、下降トレンドの角度を探して、新たな平行チャネルを引く必要があるということです。 上昇チャネルの中にいる時はロングを狙い、上昇チャネルをはみ出たらショートに切り替える準備をするというふうに、平行チャネルを活用することで、目線の切り替えが非常にしやすくなります。
トレンドに逆らわないエントリーが合理的ですが、そのトレンドは下限(もしくは上限)まで続き、線からはみ出たらトレンドが終わるかも…という明快な基準を作れるので、上下共にエントリーを狙いやすくなり、下降トレンドなのにロングし続けるといったことを、避けることができます。
平行チャネルを引くメリット⑤ 適切なリスクリワード戦略をとることができる
リスクリワード戦略とは、自分の損切り幅に対し、どれくらいの利幅を狙うかという、リスクとリワードのバランスの話です。
リスクリワード戦略=損小利大
つまり、損切り幅<利確幅ということです。人によってはリスクリワード戦略もやり過ぎに注意です。例えば、以下の画像をご覧ください。

画像上向き矢印で、ロングエントリーをしたとします。根拠は以下の3つです。
①:上昇チャネルの下限であること。
②:意識されている水平線のサポート点であること。
③:①と②がクロスしている地点であること。
このような箇所でエントリーした場合に、いくら損小利大だからといって、利確幅を大きくし過ぎると、そこまで届くのかどうかという、利確幅の狙いすぎ(欲張りすぎ)問題が発生してしまいます。実際、上昇チャネルの中の範囲で推移しているので、チャネルより上での利確はやり過ぎているかなというふうに、考え方を改めてことが必要です。そこで、過剰な利確位置は諦めて、前回の高値に収まるように調整するなど、平行チャネルの範囲に利確位置を置く判断ができます。
また、利確幅だけでなく、損切り幅もそれなりに適切な判断ができます。例えは、上昇チャネルに収まる間は上昇トレンドなのでロングを狙います。だから、上昇トレンドを完全に下抜けしている位置は損切りとして適切です。ローソク足がここまで落ちてしまったら、下降トレンドが始まっている可能性があるという位置。その位置ではいったんロングの目線を解除する、つまり損切りをする必要があります。損切りは次の正しい売りポジションを持つための必要経費です。
ところが、損切りを嫌がりすぎて損失幅を大きくしすぎて、極端な戦略をとってしまうと「ロング持ちすぎじゃないか」と考えることができます。「明快な範囲で推移している」という基準があるからこそ、平行チャネルを基準にして損失幅の設定もやりやすくなります。だから、適切なリスクリワード戦略を取れるようになります。

まとめ
最後に、平行チャネルを引くメリット5つのおさらいです。
①同じ時間軸で売買するトレーダーたちによって、上下どちらにトレンドが形成されているのか判断ができる
②今は意識されている価格帯の中でも安いのか高いのか判断ができる
③今のボラティリティはどれくらいなのか判断ができる
④そのトレンドはいつまで続くのか基準を作ることができる
⑤適切なリスクリワード戦略をとることができる
最後までお読みいただきありがとうございました。次は、平行チャネルの引き方についてのお話です。
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