国内・海外を問わず、すべてのFX会社には、
- DD(Dealing Desk)方式
- NDD(None Dealing Desk)方式
いずれかの取引方式が採用されています。一般的には、国内FX会社はDD方式、海外FX会社はNDD方式を採用していることが多いです。XMもNDD方式を採用しています。
これらの2つの取引方式について、名称を聞いてもよく分からないという方がいらっしゃるのではないでしょうか? そこで今回は、DD方式とNDD方式について、両者の特徴を比較し、それぞれのメリット・デメリットを解説していきたいと思います。
本記事を読むことで、DD方式とNDD方式の違いが分かるようになり、ご自身に適したFX会社/口座タイプ選びができるようになるでしょう!
- DD方式とNDD方式の特徴
- DD方式とNDD方式、それぞれのメリット・デメリット
- STP方式とECN方式の特徴
FXにおける取引方式
特徴の説明に入る前に、まずはFXにおける取引方式について、以下の図で整理しておきましょう。

FXの取引方式には、DD(Dealing Desk)方式とNDD(None Dealing Desk)方式の2種類があります。さらにNDD方式には、STP(Straight Through Processing)方式とECN(Electronic Communications Network)方式の2つに分けられます。
上図をもとに、それぞれの特徴の説明に入っていきます。
DD方式について
DD(Dealing Desk)方式の特徴とメリット・デメリットを見ていきましょう。
特徴

DD方式とは、トレーダーとカバー先の間にFX会社(ディーラー)が仲介する取引方式です。国内FX会社が主に採用しています。別名、相対取引、OTC(Over The Counter)取引、店頭取引とも呼ばれています。
FX会社のディーラーは、トレーダーの注文に対して、
- カバー先金融機関に流す
- 流さずに呑む
- 相殺取引する
いずれかの判断を行います。
では、トレーダーの注文を流す場合と流さない場合は、どう違うのでしょうか? それは、トレーダーの勝ち負けに関係してきます。
トレーダーが勝ちそうな注文の場合、FX会社は注文をカバー先に流します。ここで、トレーダーが勝てばトレーダーは利益を得られ、トレーダーが負ければトレーダーは損失を被ります。FX会社に損益は発生しません。強いて言えば、カバー先との取引手数料がかかるくらいですが、それはトレーダーからスプレッドで回収済みです。
トレーダーが負けそうな注文の場合、FX会社は注文を流さずに呑みます。ここで、トレーダーが勝てばトレーダーが利益を得る代わりにFX会社が損失を被り、トレーダーが負ければトレーダーが損失を被る代わりにFX会社が利益を得られます。利益相反の関係ですね。
トレーダーの注文がカバー先に流れるかどうか、その判断がディーラーに委ねられているのがDD方式の特徴です。
メリット
DD方式のメリットは、狭いスプレッドを提供できることです。
トレーダーの損失額から利益を得ているDD方式では、スプレッドを広くする必要がないからです。むしろ狭いスプレッドを売りにして、たくさんのトレーダーを集めます。FXは9割のトレーダーが負けていく世界なので、たくさん負けてもらうことでFX会社は利益を生み出します。
デメリット
DD方式のデメリットは、取引の透明性が低いことです。
これはあくまでも可能性や噂という話です。DD方式のFX会社では、以下のような不正を働いて、故意にトレーダーを負けさせていると言われています。
- 勝ちそうな注文を拒否(約定拒否)
- 約定のタイミングをずらす(スリッページ)
- 損切りまでレートを動かす(ストップ狩り)
こうしたことが起きるのも、トレーダーとFX会社が利益相反関係にあるためでしょうか。
NDD方式について
NDD(None Dealing Desk)方式の特徴とメリット・デメリットを見ていきましょう。
特徴

NDD方式とは、トレーダーとカバー先の間にFX会社(ディーラー)を介さない取引方式です。人間ではなく、FX会社のシステムが注文の処理をします。XMをはじめ、海外FX会社が主に採用しています。
FX会社はトレーダーとカバー先をつなぐだけの役目です。
メリット
NDD方式のメリットは、透明性の高い取引が実現できることです。
NDD方式では、トレーダーの支払うスプレッドがFX会社の利益になります。そのため、トレーダーには勝ち続けてたくさん取引をしてもらうほど、FX会社は儲かります。つまり、トレーダーとFX会社はWin-Winの関係にあると言えます。
だからこそ、不正を働く必要などあるわけもなく、取引の透明性が高いと言えるのです。
デメリット
NDD方式のデメリットは、スプレッドが広くなってしまうことです。
先述した通り、トレーダーの支払うスプレッドがFX会社の利益となりますので、広くならざるを得ません。
以上、ここまではDD方式とNDD方式の特徴、メリット・デメリットについて解説してまいりました。そのまとめとして、以下に表を示します。

2つの取引方式のうち、NDD方式がオススメと巷ではよく言われていますが、実際にはどちらにも一長一短があります。トレードにおいて、何を重要視するかで取引方式を選びましょう。
NDD方式にはSTP方式とECN方式の2種類がある
紹介してきましたNDD方式はさらに、
- STP(Straight Through Processing)方式
- ECN(Electronic Communications Network)方式
この2つに分けられます。それぞれの特徴についても簡単に解説しておきます。
STP方式

STP方式では、FX会社と提携しているLP(Liquidity Providers)が提示する中で、最も有利な価格を自動選択し、そこにスプレッドを上乗せしてトレーダーに提示し売買しています。
STP方式では、トレーダーの支払うスプレッドがFX会社の利益となります。
XMの場合、スタンダード口座、マイクロ口座、KIWAMI極口座がSTP方式を採用しています。
ECN方式

ECN方式では、トレーダーの注文はFX会社を介して電子取引所(インターバンク市場)に流れていきます。この電子取引所には、LPや他のトレーダー等による、様々な注文が集まっています。トレーダーの注文が流されると、電子取引所からマッチするものを自動で見つけて売買が行われます。オークションのようなイメージですね。
ECN方式では、トレーダーが支払うECN利用料がFX会社の利益となります。
XMの場合、ゼロ口座がECN方式を採用しています。
参考記事:XMゼロ口座について
STP方式の場合、トレーダーの注文をどのLPに流すかということで、多少FX会社の介入があると言えます。一方でECN方式の場合、トレーダーの注文は電子取引所に流れていくだけなので、ほとんどFX会社の介入する余地がなく、STP方式よりもさらに透明性の高い取引ができると言えるでしょう。
以上、STP方式とECN方式の特徴について説明してまいりました。そのまとめとして、以下に表を示します。

表に示しました通り、STP方式とECN方式にも一長一短があると思います。例えば、最大レバレッジはXMスタンダード口座(STP方式)は1,000倍を利用できますが、XMゼロ口座(ECN方式)は500倍に制限されます。
ここでも、ご自身がトレードにおいて重要視することを考えて、取引方式を選びましょう。
XMのNDD方式について まとめ
XMのNDD方式について、対となるDD方式との比較や、それぞれのメリット・デメリットを解説してまいりましたが、いかがだったでしょうか。
FXの取引方式にはどのようなものがあり、それぞれの特徴は何なのか、お分かりいただけたと思います。
いずれの取引方式にも一長一短があります。繰り返しますが、ご自身がトレードで重要視することをもとに、取引方式を選ぶようにしてください。
【蛇足】
ここまで書いておいてなんですが、取引方式の違いなど、どうでもいいというのが私の考えです。DD方式であろうとNDD方式であろうと、トレーダーとしてのスキルがないことには、どのみち稼ぐことはできないからです。
取引方式からFX会社/口座タイプ選びをするのも良いですが、それは稼げるようになってからでも遅くありません。まずは、トレーダーとしてのスキルを高めること。それが最優先です。
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