ピアノソロアレンジのやり方 初心者の方にも分かりやすく解説します!

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記事をご覧いただきありがとうございます。Sakiと申します!

今回はJ-POPなどのピアノソロアレンジのやり方について、手順をひとつずつ丁寧に解説していきたいと思います。

私自身ピアノ初心者ではありますが、20曲以上のJ-POPをピアノソロアレンジしてきた経験をもとに書いていきますので、最後までお付き合いください♪

それでは始めていきましょう!

必要なもの

アレンジを始める前に、必要なものを挙げていきます。以下の4つです。

必要なもの
  • 音源ファイル
  • キーボード
  • MuseScore
  • ハヤえもん

ひとつずつ解説していきます。

音源ファイル

まずは、アレンジしたい楽曲の音源ファイルが必要です。ファイル形式は、MP3やWAVが良いですね。後述する「ハヤえもん」というアプリに取り込みます。

キーボード

メロディーやベースの音などを確認するために、キーボードがあるといいですね。鍵盤数は多くなくてもよく、安価なもので大丈夫です。

キーボードを購入できないという場合は、スマホのピアノアプリでも代用可能です。ピアノアプリといっても色々ありますが、私のオススメは「Perfect Piano」ですね。

Perfect Piano(白鍵18鍵分を表示)

本物のピアノと同じ88鍵で、画面上に表示させる鍵盤数を自由に変化させられます。音色も変えられるので、好きな音を選べます。

Saki
Saki

ちなみに、私はキーボードを持っていないので、「Perfect Piano」を使っています。

ピアノアレンジをする上で、まったく問題なく使えています!

MuseScore

アナログ式に、五線譜に手書きで楽譜を作っていくこともできますが、打ち込んだ音をすぐに確認できる”楽譜作成ソフト”があると作業がはかどります。楽譜作成ソフトには、有料無料問わず色々なものがありますが、私のオススメは無料で使える「MuseScore」一択ですね。かれこれ10年以上使っています。

MuseScore4の楽譜作成画面

「MuseScore」ひとつで楽譜の作成はもちろん、PDFファイルやMIDIファイル、MP3ファイルなどへのエクスポートもできます!

ハヤえもん

曲の解析に便利なのが、「ハヤえもん」という無料アプリです。

ハヤえもんの操作画面

「ハヤえもん」には、曲のテンポやKey(調)を変えたり、ベースの音だけを抽出したり、色々な機能があります。音感に自信のある方は必要ないかもしれませんが、私はものすごく重宝しています!

アレンジしたい楽曲の音源ファイルを、この「ハヤえもん」に取り込みます。後述する”ベースの音を打ち込む作業”において活用します。

アレンジしたい曲を聴く

必要なものを揃えたら、いよいよピアノソロアレンジを始めることができます。

まずは、アレンジしたい曲を何度か聴いてみましょう。曲を聴きながら…

  • 明るく元気な曲なのか
  • 少し切ない雰囲気の曲なのか
  • アップテンポの曲なのか
  • ゆったりとした曲なのか

といったイメージを掴んでみてください。

今回は例として、私の好きなアニメ”ラブライブ!サンシャイン!!””Aqours”から、「想いよひとつになれ」という楽曲を取り上げます。以下の解説も、この曲をもとに進めていきます。

違う場所にいても、みんなの想いはひとつ。そんな素敵な一曲です!

私はこの曲を聴いて、”明るくて、元気いっぱいの曲だな”と感じました。ファーストインプレッションとしてはこれでOKです!

曲の構造を把握する

一通り曲を聴いてイメージを掴むことができたら、次は曲の構造を把握する作業に移ります。以下の3つのポイントを意識します。

曲の構造 3つのポイント
  • 調(Key)
  • 拍子
  • テンポ(BPM)

ひとつずつ解説していきます。

調(Key)

まずは、アレンジしたい曲の調(Key)を把握していきます。調を特定するには、キーボードなどでメロディーをたどっていくと良いです。どの音が黒鍵になるのか、曲の最初と最後はどんな響きかで、”ある程度”は調を特定することができます。

”ある程度”と書いたのは、調には長調(Major)と短調(Minor)の2種類があり、このやり方だとそこまで特定することはできないからです。ただし、J-POPをアレンジするのであれば短調は無視しても良く、基本的には長調だけと考えても差し支えありません。

そもそも、長調と短調の境界線は曖昧なものなので、ここでは深く考える必要はありません。

また、曲の最初から最後まで通して同じ調という場合もありますが、J-POPでは転調がある曲も多く見受けられます。転調のパターンとしては、

  • サビの部分が転調するパターン
  • ラスサビの部分だけ転調するパターン
  • 2段階転調するパターン

など色々あります。ただ、転調すると言っても楽譜の”シャープ(#)”や”フラット(♭)”の数が変化するだけですので、あまり難しく考える必要はありません。”転調しているな”と気付ければOKです!

ここまでの解説を踏まえて、「想いよひとつになれ」の調を特定させてみましょう。以下のようになります。

「想いよひとつになれ」の調(Key)

サビ:A Major→Aメロ:G Major→Bメロ:G Major→サビ:A Major→間奏:A Major
→Aメロ:G Major→Bメロ:G Major→サビ:A Major→間奏:A Major
→Cメロ:A Major→落ちサビ:G Major→ラスサビ:A Major→後奏:G Major

曲を細かく区切って書いたので、ちょっとごちゃごちゃしていますが、A MajorとG Majorを繰り返していることが分かれば十分でしょう。

拍子

J-POPの場合、4/4拍子であることがほとんどです。ただもちろん、それ以外の拍子の曲も存在していますし、曲の途中で一時的に異なる拍子が挿入されるなど、様々なパターンがあります。

拍子の特定は、曲中のドラムの音を聴くなど、リズムを意識してみるとやりやすいです。

Saki
Saki

私の場合、曲を聴きながら手を叩いて拍子の確認をしています。

正直なところ感覚でやっていますね!

「想いよひとつになれ」は、曲の最初から最後まで通して4/4拍子です!

テンポ(BPM)

テンポ(BPM)は、一曲を通して変化しないこともありますが、曲中で変化することも多々あります。よくあるのが、曲の最後でリタルダンド(減速)しながら終わっていくというパターンです。

まずは一曲通して聴いてみて、曲中にテンポの変化があるか、最後がリタルダンドになっているか否かを把握します。

次にテンポを特定していきますが、拍子の時と同様に曲中のドラムの音を聴きながら、リズムをとってみるとやりやすいです。一拍ごとに手を叩くなどして、ざっくりとテンポが特定できます。

ただ、テンポを測るためとは言え、一拍ごとに手を叩くという動作を1分間続けるのは大変です。そこで便利なのがサウンドコルセットというスマホアプリです。

サウンドコルセットにはメトロノーム機能があります。画像右上のドラムマークがありますが、これを曲のリズムに合わせてタップすると、煩わしい動作なしでざっくりとテンポを特定することができます。

ここで”ざっくり”と書いているのは、このやり方ではキッチリとしたテンポの特定ができず、±5BPM程度のズレが生じてしまうためです。

Saki
Saki

キッチリとテンポを特定するために、私の場合、MuseScoreに曲のAメロ辺りまでメロディーを打ち込んで、その段階で原曲と同時再生して、ズレがないことを確認してテンポを特定しています。

とりあえずメロディーを打ち込む前の段階では、ざっくりでも構わないということです。

さらに補足しておくと、テンポはぴったりキリの良い数値になるとは限りません。私の経験上、昔の曲ではテンポに小数点がつくこともありました。

補足のことはとりあえず置いておいて、「想いよひとつになれ」のテンポは168BPMで、最後はリタルダンドしながら終わっています。

メロディーを打ち込む

曲の構造を把握できたら、MuseScore(楽譜作成アプリ)にメロディーを打ち込む作業に入っていきます。ここでのメロディーとは、曲の中で主に聞こえてくる音のことです。つまり、ボーカル、ギター、ピアノなどの音を指しています。これらの音を拾い、楽譜に落とし込めば良いわけです。ピアノソロの右手パートになります。ちなみに、この時点では和音のことを考えなくてもOKです。

それでは早速、「想いよひとつになれ」のメロディーをMuseScoreに打ち込んでいきます。以下のようになります。

ここでは説明を簡潔にするため、1番のサビの部分だけを扱っていきます。ご了承ください。

細かい音は後で付け加えれば良いので、ここではしっかり聞こえてくる音だけを拾いました。

ベースの音を打ち込む

次は、ピアノソロの左手パートの土台となる、ベースの音を打ち込んでいきます。原曲からベースの音が聴き取れることもありますが、色々な音が一緒に鳴っていて難しいです。そこで活躍するのが「ハヤえもん」というアプリです。

使い方はまず、ハヤえもんに音源ファイルを入れます。ドラッグアンドドロップでOKです。そして、操作画面の「エフェクト」タブから「ベースの耳コピ」を選択します。すると、ベースの音だけが抽出されて再生されます。聴き取りやすくするために、イヤホンを使うと良いでしょう。

「ハヤえもん」のベースの耳コピ機能を使って、ベースの音を打ち込んだものが以下になります。

ここでは、聴き取れた音を白玉(全音符or二分音符)で置いていけば大丈夫です。リズムがあれば刻んでみても良いでしょう。後で伴奏を考える際のヒントになります。

ここまでで、右手メロディーと左手ベースを打ち込んだだけですが、ピアノの演奏として成り立っていることが分かると思います。超初心者向けのピアノ楽譜であれば、これでもいいですね。

ただこれだけでは流石に寂しいので、もっと和音を取り入れて、音に厚みのあるアレンジがしたいところ。そこで次に、コードを特定させる作業に入っていきます。

コードを特定させる

コードを特定させるには、調(Key)とベースの音を把握していることが前提となります。

ここからは、私が実際に行っているコード特定のやり方を解説していきます。主に以下の4つのパターンがあります。

4つのコード特定方法

①メロディーがコードに含まれる場合

1小節目をピックアップしてみました。ベースの音はラ(A)です。小節内の最初のメロディーはラです。

Key=A Majorであることから、1小節目のコードはAであると仮定します。メロディーはラを最高音とし、その下にラ以外のコードAの要素を順番につけていきます。

ラ、ミ、ド#となります。原曲と照らし合わせてみて、違和感がなければコードはAで特定となります。

②メロディーがコードに含まれない場合

6小節目をピックアップしてみました。ベースの音はド#(C#)です。小節内の最初のメロディーはシです。

Key=A Majorであることから、6小節目のコードはC#mであると仮定します。メロディーはシを最高音とし、その下にコードC#mの要素を順番につけていきます。

シ、ソ#、ミ、ド#となります。原曲と照らし合わせてみて、違和感がなければコードはC#mで特定となります。

4和音のままでも構いませんが、音がごちゃごちゃし過ぎるのを防ぐために、上から2番目の音は間引いてしまってもOKです。シ、ミ、ド#でスッキリとした感じになります。

③メロディーがない場合

14小節目をピックアップしてみました。ベースの音はド#(C#)です。小節内の最初のメロディーはなし(休符)となっています。ただ、考え方は同じです。

Key=A Majorであることから、14小節目のコードはC#mであると仮定します。休符のところには、次に続くメロディーに対して高すぎず低すぎない、コードC#mの要素を挿入します。

ここでは、ド#、ソ#、ミの順番で挿入してみました。原曲と照らし合わせてみて、違和感がなければコードはC#mで特定となります。

④ベースの音に臨時記号が付く場合

15小節目をピックアップしてみました。ベースの音はソ(G)です。小節内の最初のメロディーはド#です。

Key=A Majorに本来Gの音は出てきませんが、ここではとりあえず、15小節目のコードをGと仮定します。メロディーはド#を最高音とし、その下にコードGの要素を順番につけていきます。

ド#、シ、ソ、レとなります。原曲と照らし合わせてみて、違和感がなければコードはGで特定となります。

上から2番目の音を間引いて、ド#、ソ、レとするとより綺麗に響きます。また、基本的に小節の先頭を和音にしていますが、曲のリズムに合わせて小節内の和音の箇所を増やしても良いでしょう。

4つのパターンでコードを特定させたものが以下になります。

だいたいコードを特定させることができていますが、2小節目と8小節目に「?」があります。この部分は、ここで説明してきたやり方ではコードの特定ができません。

その場合はどうするのかと言うと、原曲をしっかりと聴いて、違和感のないコードを当てはめることになります。ただ、これにはある程度の経験が必要です。

また、ここで説明してきたやり方は本当に初歩的な内容であり、コードはMajorとMinorしか出てきていません。しかし、実際の楽曲にはMajorとMinorだけでなく、7thコードやonコードなど様々なものが登場するはずです。それらを含めて正確にコードを特定させるには、やはりある程度の音感や経験が必要になります。

Saki
Saki

ここまでの話を聞いて、

「やっぱりピアノアレンジって難しいなぁ…」と思われた方!

大丈夫です。心配はいりません。

ピアノアレンジにおいて、コードを特定させる作業は確かに難しいです。しかし、コード特定をラクにしてくれるお助けツールがあります。ここでは、私が実際に使っているツールを3つ紹介しますね!

お助けツール① Chord ai

お助けツールの1つ目は、「Chord ai」というスマホアプリです。スマホに入っている曲やYouTubeの曲、マイクで拾った曲でもコード解析をしてくれるアプリです。テンポや調も解析してくれるので、曲構造の把握にも使えます!

お助けツール② Chordify

お助けツールの2つ目は、「Chordify」というサイトです。YouTubeの動画URLを入力すると、該当するYouTube動画と共に曲のコードを特定できます。無料版と有料版がありますが、一度にたくさんの曲を解析しないなら、無料版でも十分使えます。

お助けツール③ U-FRET

お助けツールの3つ目は、「U-FRET」というサイトです。

約7万曲のコードが見放題のサイトで、曲名を入力すると、歌詞と一緒にコードが表示されます。メジャーな曲であれば大体見つかります。

使えるものを総動員!

知識と経験とお助けツール、使えるものを総動員してコードを特定させていきます。最終的に以下のようになりました。

「?」だった2小節目はE/G#、8小節目後半はC#/Fとし、それぞれ違和感がなかったので採用しています。

ちなみに、上記は私のオリジナルアレンジですので、これが絶対の正解では決してありません。そもそも、コードの解釈は人それぞれであり、正解や不正解という概念自体がありません。

Saki
Saki

そこが音楽の難しいところですが、面白いところでもあります!

強いて言えば、しっかりと原曲を聴いて、自分なりに”しっくりくると感じられれば全て正解です。

左手の伴奏パターンを考える

続いて、左手の伴奏パターンを考える作業に入ります。伴奏パターンを考える際には、ドラムやベースの音、ボーカルなどから、曲のリズムを感じ取ることが大切だと考えています。

左手の伴奏パターンには正解がなく、色々な形が当てはまります。パターンも膨大な数が存在しますので、ひとつずつ見ていくわけにはいきません。そこで今回は、私がピアノソロアレンジでよく使う、汎用性の高い伴奏パターンをいくつかご紹介します。分かりやすくするために、Key=C Majorとします。

伴奏パターン①

ブロックスタイルの4つ打ち、基本的な伴奏パターンになります。ゆったりめの曲で使うことが多いです。

伴奏パターン②

アルペジオスタイルの基本的な伴奏パターンになります。Aメロなど、曲の始まりのゆったりとした部分で使います。

伴奏パターン③

rootと5th、8th(オクターブ)を使った伴奏パターンの1つです。どういう場面で使うかというのは特に決まっていませんが、曲の雰囲気に合えば良く使っています。

伴奏パターン④

6/8拍子でよく使う伴奏パターンです。いわゆる”ズンチャッチャッ”の形です。

伴奏パターン⑤

rootと5th、8thを使った伴奏パターンの1つです。ドラムのリズムから出来たもので、汎用性が非常に高く、曲の色々な場面で使えます。

伴奏パターン⑥

rootと5th、8thを使った伴奏パターンの1つです。サビで使うことが多いです。

伴奏パターン⑦

アルペジオスタイルの中でも、rootと5th、8thを使った伴奏パターンです。イントロなど、落ち着いた場面で使うことが多いです。

伴奏パターン⑧

rootと5th、8thを使った伴奏パターンの1つです。汎用性が高く、AメロやBメロで使います。

伴奏パターン⑨

rootと5th、8thを使った伴奏パターンの1つです。イントロや落ちサビで使うことが多いです。

伴奏パターン⑩

rootと8thを使った伴奏パターンです。オクターブは音に深みが出るので、好んで使っています。リズムの刻み方は一例です。

伴奏パターン⑪

root、5th、8th、さらに10thを加えたアルペジオスタイルの伴奏パターンです。曲の雰囲気と合えば使っています。

伴奏パターン⑫

rootと8th(オクターブ)を繰り返す、いわゆるオクターブトレモロという形です。汎用性が非常に高く、使える場面も多いですが、他のアレンジャーも多用しているため、個性が出にくくなるのがややネックです。

まだまだ色々ありますが、この辺にしておきますね(^-^;

こうして見てきただけでも、左手の伴奏パターンはたくさんあります。しかし、たくさんあるからといって難しく考える必要はなく、曲の場面に合うものを選べばOKです。

「想いよひとつになれ」において、私は以下のような伴奏パターンを付けてみました!

だいぶピアノの演奏らしくなってきましたね!

サビの前半はゆったりとしたイメージなので4分音符をメインとし、サビの後半は盛り上がるイメージで8分音符をメインとした伴奏パターンにしてみました。

コードの特定と同じですが、上記はあくまでも私のアレンジであり、これが正解などでは決してありません。左手の伴奏パターンを付けるには、ある程度の経験が必要です。たくさんの曲を聴いて、実際にピアノアレンジしてみて、自分の頭に伴奏パターンのストックを増やしていくイメージです。

ただ、伴奏パターンのストックを増やすといっても、いきなりはハードルが高いです。そこでオススメの方法は、他のアレンジャーが作った楽譜を写譜することです。写譜といっても、わざわざ手書きする必要はありません。MuseScoreに打ち込むだけでOKです。

Saki
Saki

私もはじめは、好きな曲の楽譜動画をYouTubeで見つけて、

それをMuseScoreに打ち込むという作業を繰り返していました。

他のアレンジャーが作った楽譜を見ながら、MuseScoreに音符を1つひとつ打ち込んでいきます。その時に、左手の伴奏パターンに着目しましょう。一曲通して打ち込み終えたら、そのままMuseScoreで再生します。曲のどの部分にどんな伴奏パターンが当てはめられているのか、意識しながら聴いてみましょう。

好きな曲で構いませんですので、この作業を何曲もたくさん繰り返していきます。そうすると、自然に伴奏パターンのストックが出来ていくはずです。いざ自分でオリジナルのピアノアレンジをしたいと思った時に、「この場面ではあの伴奏パターンが使えるかも!」といった感じに、曲に合った伴奏パターンをサクッと当てはめることができるようになります!

この状態になると、ピアノアレンジをすることが本当に楽しくなってきます。写譜は地味で大変な作業ですが、その大変さを乗り越えた後には大きな楽しみがありますので、ぜひトライしてみてください!

フィルインを入れる

”フィルイン(Fill in)”はドラマーがよく使う言葉ですが、簡単に言えば埋めるという意味です。ピアノソロアレンジにおいては、歌詞と歌詞の間を、聴こえてくる他の音(弦楽器やボーカル等)で埋めることを指して言います。(私がそう呼んでいるだけですが…)

「想いよひとつになれ」において、フィルインを入れたものが以下になります。

2ヶ所にフィルインを入れてみました。1ヶ所目は、3小節目から4小節目にかけて別パートのボーカルを入れてみました。2ヶ所目は、12小節目にグリッサンドを入れてみました。2ヶ所とも原曲に近づけることを意識しています。

フィルインを入れる時のポイントは、無理なく違和感なく入れることです。フィルインを入れすぎるとごちゃごちゃした楽譜になってしまいますので、ほどほどがちょうど良いですね。

ハモリを入れる

ここまでくるといよいよ完成目前ですね。後はハモリを入れていきます。ハモリには主に以下の3パターンがあります。ひとつずつ解説していきます。

分かりやすくするために、以下のメロディーを例とします。Key=C Majorです。

3度下のハモリ

3度下のハモリは楽譜において、メロディーから2つ離した音をそれぞれの下につけることで出来上がります。曲の色々な場面で使えます。

6度下のハモリ

6度下のハモリは楽譜において、メロディーから5つ離した音をそれぞれの下につけることで出来上がります。キレイな響きを作りやすく、場面によっては好んで使っています。

3度上のハモリ

3度上のハモリは楽譜において、メロディーから2つ離した音をそれぞれの上につけることで出来上がります。私はあまり使いませんが、写譜をする時に参考にしていたアレンジャーさんの中には、多用している方もいました。

ここでの解説はC Major でしたが、調が変わっても2つの音の距離は変わらないので、そのまま応用させられます。

「想いよひとつになれ」の1番のサビの部分にハモリを入れた箇所はありません。ただ、曲全体ではハモリを入れた箇所がありますので、後ほど解説します。

装飾をする

ハモリを入れた時点で、ピアノソロアレンジは完成したと言ってもいいでしょう。ですが、もう少し原曲に近づけるための工夫をしていきます。それが装飾をすることです。

私が良く使う装飾は以下の4つです。

スタッカート

スタッカートは、音を短く切って演奏するという意味の装飾記号です。

アクセント

アクセントは、その一音を他より強く弾くという意味の装飾記号です。

トリル

トリルは、その音と隣の音を交互に弾くという意味の装飾記号です。効果的な場面で使うと、オシャレな感じになります。

アルペジオ

アルペジオは、和音を一音ずつばらして弾くという意味の装飾記号です。メロディーでも伴奏でも使える、汎用性の高い装飾です。

ここで紹介した以外にも色々な装飾があります。装飾は原曲に近づける方法として使いますが、もちろん自由に使うこともできます。

Saki
Saki

私の場合、「ここにアルペジオを入れるとオシャレかも!」みたいな感じで、

結構自由に使っています。

装飾を上手く施せば、他のアレンジャーと差をつけることもできます!

なお、「想いよひとつになれ」の1番のサビの部分に装飾を付けた箇所はありません。ただ、曲全体では装飾を付けた箇所がありますので、後ほど解説します。

強弱をつける

ピアノソロアレンジもいよいよ最後の工程です。原曲をよく聴きながら、強弱をつけていきましょう!

例えば、イントロはピアノ(p)で弾いて、Aメロはメッゾ・ピアノ(mp)、Bメロはメッゾ・フォルテ(mf)、そしてサビはフォルテ(f)で盛り上げる、といったイメージです。

Saki
Saki

ちなみに私は、pp(ピアニッシモ)、p(ピアノ)、mp(メッゾ・ピアノ)、mf(メッゾ・フォルテ)、f(フォルテ)、ff(フォルテシモ)あたりの強弱記号をよく使います。

それらとは別に、必要に応じてクレッシェンドやデクレッシェンドを使うこともあります。

ピアノソロアレンジ完成!!

ここまでの工程をもちまして、ピアノソロアレンジの完成となります。完成したものが以下の私のYouTube動画です。

本記事で解説してきたことがたくさん盛り込まれていると思います。

ここで2点補足があります。

1点目はハモリについてです。1番と2番の間のところに、3度下のハモリを入れています。
2点目は装飾についてです。動画を見て頂ければお分かりですが、アルペジオをたくさん使っています。

その他、強弱の付け方など、参考にしていただければ幸いです。

Saki
Saki

ここで宣伝です(笑)

私のYouTube「さきちゃんねる」では、上記以外にも様々な楽曲のピアノアレンジをアップしています。手掛けてきた楽曲は1990年代から2020年代まで様々です。本記事の内容をより深く理解するためにも、ぜひチェックして頂き、チャンネル登録もして頂ければとっても嬉しいです♡

おわりに

以上、ピアノソロアレンジのやり方について、手順をひとつずつ丁寧に解説してきましたが、いかがだったでしょうか。コードの特定や左手の伴奏パターンなど、難しいところが多々あったと思います。

ピアノソロアレンジ上達の方法は、他のアレンジャーさんのアレンジの仕方をたくさん見て、学ぶことだと思います。YouTubeにある楽譜動画でも生演奏動画でも、どちらでも構いません。見て学び、自分の知識に変えていくことが大切です。

それでもピアノソロアレンジには正解がなく、そこが一番難しいところです。しかし、正解がないということは、自分で自由にアレンジができるということで、楽しみでもあります。私は、ピアノソロアレンジに正解がないということに気付いてから、成長速度が増したように感じました。そして、今では楽しみながらピアノソロアレンジをやっています。

長くなってしまいましたが、本記事を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。”ピアノソロアレンジのやり方を知りたい”と興味を持たれた方にとって、この記事が少しでも参考になれば幸いです。

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