今回は、以前検証したチャートパターン”フラッグ”の優位性を高めるために、サポレジ転換をルールに加えて、AUD/USDとGBP/USDの2通貨ペアで検証してみました。
「チャートパターン”フラッグ”って何?」という方は、前回の過去検証記事にて説明していますので、目を通してみてください。
それでは早速ルールの確認からいきましょう!
サポレジ&フラッグ手法 ルール説明
通貨ペア:ドルストレート、クロス円、メジャーなものならなんでもOK
時間足:1時間足以下
使用テクニカル:ローソク足、水平線
エントリーと決済
エントリーから決済までの流れを、図でも確認してみましょう。
トレンドが出ている局面、あるいはこれから出そうな局面において、目立つ高値や安値に水平線を引きます。そしてレートが水平線をブレイクした後、その水平線までのサポレジ転換を待ちます。その際、フラッグを作りながら水平線まで戻ってくれば、トレードチャンスになるイメージです。
サポレジ&フラッグ手法 AUD/USDでの検証
以上のルールのもと、まずはAUD/USD、2014年4月から2020年3月までの30分足チャートで検証してみました。検証には練習君プレミアムを用いています。
はじめに、ルール通りに検証した結果を示していきます。
コントロール(対照)
トレード回数:50回
勝ちトレード:26回 負けトレード:24回(勝率52.0%)
総利益:823.6pips 総損失:720.4pips(PF1.14)
平均利益:31.68pips 平均損失:30.02pips(RR比1.06)
検証期間内の獲得pips:+103.2pips
獲得pips自体はプラスとなりましたが、その増減のグラフは上がったり下がったりで、安定して利益をあげられる感じではありません。もう少し工夫を施したいところです。
エリオット波動の3波でフィルタリング
トレードするなら3波を狙えとよく言われる通り、エリオット波動の3波が伸びやすいのは事実です。そこで当手法でも、エリオット波動の3波でフィルタリングをしてみました。
ここで3波の定義ですが、三尊や高値切り上げ型のダブルトップなどが成立した波を1波とし、その後の調整を2波、再度トレンド方向へ向かう波を3波としてみました。
フィルタリングした結果は、以下のようになりました。
トレード回数:12回
勝ちトレード:10回 負けトレード:2回(勝率83.3%)
総利益:280.0pips 総損失:90.3pips(PF3.10)
平均利益:28.00pips 平均損失:45.15pips(RR比0.62)
検証期間内の獲得pips:+189.7pips
獲得pipsの増減は右肩上がりとなり、いい感じです。ただ、トレード回数が一気に減ってしまいました。そこで、もう一つフィルタリングを試してみました。
サポレジラインとフィボナッチの重複でフィルタリング
以前何かのサイトで見かけた手法から、たまたま思いついたフィルタリングです。まず、サポレジラインを挟んだ波にフィボナッチを引きます。そして、フィボナッチの50.0%とサポレジラインが5pips以内で重なる場合のみ、エントリーの対象とします。
ちなみに、フィボナッチの数値には38.2%や61.8%もありますが、最も結果が良かったのが50.0%でしたので、この数値を採用しています。さて、結果は以下のようになりました。
トレード回数:17回
勝ちトレード:14回 負けトレード:3回(勝率82.4%)
総利益:414.3pips 総損失:110.7pips(PF3.74)
平均利益:29.59pips 平均損失:36.90pips(RR比0.80)
検証期間内の獲得pips:+303.6pips
やはりトレード回数は減ってしまいますが、獲得pipsの増減は右肩上がりとなり、安定して利益をあげられています。
“エリオット波動の3波”or”サポレジとフィボの重複”でフィルタリング
上記2つのフィルタリング条件では、どちらも高い勝率となっていました。そこで、”エリオット波動の3波”もしくは”サポレジとフィボの重複”、どちらか一方の条件を満たせば十分、かつトレード回数が増えてより良いのではないかと考えました。
その結果が以下となります。
トレード回数:24回
勝ちトレード:19回 負けトレード:5回(勝率79.2%)
総利益:568.5pips 総損失:201.0pips(PF2.83)
平均利益:29.92pips 平均損失:40.20pips(RR比0.74)
検証期間内の獲得pips:+367.5pips
高い勝率を保ったまま、トレード回数を増やすことができました。獲得pipsの増減も右肩上がりになっております。ここまで改善できたなら、とりあえずOKでしょう!
サポレジ&フラッグ手法 GBP/USDでの検証
同様のルールで、次にGBP/USD、2014年4月から2020年4月までの30分足チャートで検証してみました。こちらもはじめに、ルール通りに検証した結果から示していきます。
コントロール(対照)
トレード回数:50回
勝ちトレード:22回 負けトレード:28回(勝率44.0%)
総利益:1160.9pips 総損失:1296.4pips(PF0.90)
平均利益:52.77pips 平均損失:46.30pips(RR比1.14)
検証期間内の獲得pips:-135.5pips
ルール通りの検証ですと、こちらはトータルマイナスになってしまいました。そこで、色々とフィルタリングを試していきます。
ローソク足本数でフィルタリング
以前のAUD/JPYでの検証でも有効だった、ローソク足本数でのフィルタリングを最初に試してみました。今回検証したGBP/USDの場合、小さすぎるものはフラッグとして認識されないようで、35本以上に絞ることで最も良い結果となりました。
結果の詳細は以下の通りです。
トレード回数:24回
勝ちトレード:14回 負けトレード:10回(勝率58.3%)
総利益:812.8pips 総損失:460.0pips(PF1.77)
平均利益:58.06pips 平均損失:46.00pips(RR比1.26)
検証期間内の獲得pips:+352.8pips
大きくプラスにはなりました。しかし、獲得pipsの増減を見ると、キレイな右肩上がりとは言えません。まだ改善の余地があるかもしれません。
ローソク足本数+移動平均線のPOでフィルタリング
やはりトレンドが出ていることが大事なので、4本の移動平均線(20SMA, 20EMA, 75EMA, 200EMA)のパーフェクトオーダーが成立していることを条件に加えてみました。その結果が以下になります。
トレード回数:21回
勝ちトレード:14回 負けトレード:7回(勝率66.7%)
総利益:812.8pips 総損失:334.3pips(PF2.43)
平均利益:58.06pips 平均損失:47.76pips(RR比1.22)
検証期間内の獲得pips:+478.5pips
負けトレードが減ったことで、勝率と獲得pipsが向上しています。ただ、グラフはまだキレイとは言えません。
ローソク足本数+PO+フィボナッチでフィルタリング
押し戻りが浅すぎたり深すぎたりしているものを排除するために、フィボナッチの38.2%~61.8%の押し戻りを付けていることを、さらに条件として加えてみました。さて、結果はいかがでしょう?
トレード回数:19回
勝ちトレード:14回 負けトレード:5回(勝率73.7%)
総利益:812.8pips 総損失:251.2pips(PF3.24)
平均利益:58.06pips 平均損失:50.24pips(RR比1.16)
検証期間内の獲得pips:+561.6pips
さらに負けトレードを減らすことができました。獲得pipsのグラフもだいぶキレイになりました。ここまでくれば、こちらもOKとしましょう。
考察とまとめ
今回はフラッグの検証の続きということで、サポレジ転換を条件に加えて検証を進めていきました。以前の検証からフラッグの優位性は確認できていましたが、さらに今回の結果から、フラッグにはサポレジ転換を入れたほうがいいという結論に至りました。
検証ではただデータをとるだけではなく、様々なフィルタリングを試してきました。記事内では触れませんでしたが、「サポレジラインの強度」や「キリ番との位置関係」、「エントリー時刻」や「上位足のダウの状況」など、様々な角度から検証と考察を繰り返しました。
その中で軽く補足になりますが、「上位足の抵抗要素の有無」について、成績改善に大きな効果があったわけではありませんが、大事だと思うので少し触れておきます。
こちらは、AUD/USDでの負けトレードの1例になります。サポレジとフラッグの条件を満たしてエントリーをしていますが、一瞬で逆行して損切りになっております。
そしてこちらは、エントリー時の4時間足の状況になります。直近高値に到達して、反落している最中だったわけですね。抵抗要素を見落とすと、無駄な負けトレードが増えてしまいそうです。
また、検証を進めていく中で気になったのが、AUD/USDとGBP/USDでは、同じフィルタリングを試しても同じような成績改善には繋がらなかったことです。
AUD/USDではサポレジとフィボナッチの重複が良い結果を出しましたが、GBP/USDには何の効果もありませんでした。逆に、GBP/USDでは移動平均線のパーフェクトオーダーに効果がありましたが、AUD/USDだと成績が元より悪化してしまいました。
AUD/USDとGBP/USD、同じメジャーなドルストレートペアですが、AUD/USDは長いトレンドが続く、GBP/USDはボラティリティが高いなど、値動きの性質は異なります。そのことが、今回の検証結果にも反映されているのでしょう。
今回検証して分かったことをもとに、別の通貨ペアを試したり、少しルールを変更したりして、これからも検証・研究を続けていきたいと思います。追加検証をして、有益なことが分かったら、また記事にしたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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