【ダウ理論】FXにも使える!絶対に押さえておきたい相場の原理原則!!

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FXの基礎

はじめに

ダウ理論を正しく理解すれば、

  • 「トレンドに逆らわない」
  • 「トレンド発生を判断する」
  • 「トレンド転換を察知する」

ということができるようになります。

初心者さんが学べば、勝率も獲得値幅も改善される可能性が高いです。ダウ理論は、19世紀後半から今も残り続ける相場の原理原則のひとつです。チャールズ・ダウ氏が提唱した理論で、すべてのテクニカル分析の元祖とも言われています。永く語り継がれる原理原則には、やはり残り続ける理由があります。当然、今もなお相場の世界で有効であるということです。今回は、初心者さんが最初に押さえるべきダウ理論の、基本中の基本について解説します。ぜひ、最後までお読みください!

ダウ理論 ~6つの基本原則~

先に、ダウ理論の6つの基本原則について紹介します。

①価格(チャート)はすべての事象を織り込む

②トレンドは短期・中期・長期の3つに分類される

③トレンドは3段階で構成される

④平均は相互に確認される必要がある

⑤トレンドは出来高でも確認されなければならない

⑥トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する

これら6つについて、ひとつずつ丁寧に解説していきます。

①価格はすべての事象を織り込む

為替市場とは、個人投資家では把握しきれないほどの、多くの要素によって価格が決定しています。

例えば、

金利差・物価水準・景気動向・貿易収支・金融政策・地域紛争・自然災害・市場心理etc…

あくまで一例です。

ダウ理論では、チャートにはそのすべての要素が織り込まれており、「目の前の価格こそが、膨大なあらゆる要素が収束した、市場参加者の総意である」と言っているわけです。

この①で誤解を招きやすいのは、「テクニカル分析だけやっていれば、完璧に未来予想ができるのではないか」という解釈です。過去の確定したローソク足に、あらゆるファンダメンタルズ的要素が内包されているのであれば、テクニカル分析を極めさえすれば、それだけでいいように拡大解釈もできそうです。

しかし、勘違いしてはいけないのは、テクニカル分析はあくまで「過去の傾向から期待値の高い仮説を立てる」ということしかできません。つまりテクニカル分析とは、未来予想ではなく期待値計算なのです。この違いはとても大きいので、ぜひ覚えておいてください!

②トレンドは短期・中期・長期に分類される

トレンドは次の3種類があります。

  • 1年~数年単位レベルの「長期」
  • 数週間~数ヶ月レベルの「中期」
  • 1時間~1ヶ月レベルの「短期」

あくまで期間は一般論の範囲ですので、トレンドと認識できる範囲のローソク足の数は、相場に合わせてケースバイケースで変わります。これは、分析の練習あるのみです。大きな長期トレンドの中に中期トレンドがいて、中期トレンドの中に短期トレンドがいる。そんな入れ子みたいなイメージです。

ロマネスコのつぶつぶ

トレーダーによって、どのトレンドを狙うかという時間軸の違いがあります。そして、短期トレンドばかり気にして、上位の中期トレンドをおろそかにしていると、短期では天井売りを仕込んだつもりが、中期では大底だった…というケースもよくあります。「3つのトレンドをしっかりと把握しているか」と、「3つのトレンドのうちどれを狙うのか」を明確にするのはとても重要です。

③トレンドは3段階で構成される

トレンドの3段階

1つのトレンドは一直線にブチあげていくわけではなく、「三段上げ・三段下げ」という構成の傾向があります。

トレンドの一段階目「先行期」

上図赤色の枠のところです。文字通り、早い段階でできている初動の波のことです。トレンド転換の直後に打診売り・打診買いを狙う人たちがこのあたりにいます。初動獲りに成功すれば大きな利益を得られますが、ダマシにもあいやすいです。”小さく負けて小さく負けて大きく勝つ”という考えの人が多い段階です。まだトレンドと判断すべきかどうか、迷っている人が多い段階とも言えます。

トレンドの二段階目「追随期」

上図青色の枠のところです。”トレンドが発生した”と判断した人が増える段階です。安易な言い方ですが、最も利益を出しやすい段階とも解説できます。

トレンドの三段階目「利食期」

上図黄色の枠のところです。習熟度が低い参加者も含めて、市場参加者のほとんどがトレンド方向を確信している状態です。ここまでくると、初動売買で含み益が出ている人や、トレンドフォロー売買で含み益が出ている人たちの利確が入ってきます。利確は、注文時とは反対方向の売買なので、上昇トレンドの際には売り圧力となります。

結果的に、トレンド判断が遅れた人たちの買い注文は高値掴みとなり、そのまま逆行すれば、いずれストップロス売りにかかるかロスカット売りされるため、次の下降トレンドへ転換するための燃料にされるというのが、一般的なイメージです。

私は2段階目を狙っているケースが多いです。発生が明らかになったトレンドについていくということです。どの段階を狙わなければならないということはないですが、自分の手法はどの段階を獲るのが得意なのかを明快にしましょう。

④平均は相互に確認される必要がある

この文章だけを見てもすぐにピンとこないですが、相場全体を見て相関を意識することも、トレンドの信憑性を確認する上では大事だということです。

為替の範囲の例でいうと、ドル円が下降トレンドになっている局面で、ドル円を売りたいとします。その時にただドル円だけを見て売るよりも、ユーロドルやポンドドルなどの、米ドルに関連する他の通貨ペアを見て、全体的に米ドル安の方向に動いていたら、狙っているドル円売りの信憑性が増すというイメージです。私はしませんが、為替の流れを読むために、株価指数などをチェックする人もいます。

⑤トレンドは出来高でも確認されなければならない

大前提として、FXでは為替相場全体の出来高を正確に把握する術がありません。ダウ理論は元々株の理論ですから、FXと株は仕組みが違うということです。しかし、注文データを提供してくれるFXの取引所は存在するため、各取引所ベースですが、出来高確認と似たようなことができます。

例えば、外為どっとコムの外為注文情報を活用すれば、レートごとの注文の偏りを確認できます。そして、出来高を伴うトレンドの継続や、出来高を伴うトレンドの反転は信憑性が高まります。それが、この⑤のポイントです。出来高がある=売買の注文がたくさん入っているということです。注文がたくさん入った状態で、上昇トレンドが継続されれば、その分たくさんの売りのロスカットや、ストップロスを巻き込むので、ローソクが上へ伸びやすいということです。下降トレンドの場合は逆です。

注意点は、「出来高があればトレンドが継続する」とか、「出来高があればトレンド転換する」とか、そういうことではありません。「出来高を伴ってトレンドが継続すれば、トレンドフォローの優位性が高まる」そして「出来高を伴ってトレンド転換すれば、トレ転の初動狙いの優位性が高まる」ということです。

⑥トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する

ダウ理論の中で最も有名な一文です。「トレンドは継続する」とシンプルに表現されることも多いです。

まず、ダウ理論における「トレンドの定義」から説明します。

高値と高値同士が切り上げ、安値と安値同士が切り上げる、これが上昇トレンドの状態です。

ダウ理論による上昇トレンド

逆に、高値と高値同士が切り下げ、安値と安値同士が切り下げる、これが下降トレンドの定義です。

ダウ理論による下降トレンド

次に、ダウ理論の「トレンド否定の定義」は、最高値をつける直前の安値を下抜ける、これが上昇トレンド否定です。

上昇トレンドの否定

逆に、最安値をつける直前の高値を上抜ける、これが下降トレンド否定というのが基本です。

下降トレンドの否定

そして「トレンド転換の定義」は、上昇トレンド否定後に高値切り下げ、これが下降トレンドへの転換です。

下降トレンドへの転換

そして下降トレンド否定後に安値切り上げ、これが上昇トレンドへの転換というイメージです。

上昇トレンドへの転換

これらはあくまで考え方の基本です。

そして、「トレンドは明確なシグナルが出るまで継続する」ということであれば、私達がとるべき行動指針は次の4つです。

1. 上昇トレンドが否定されるまで買いエントリー

2. 下降トレンドが否定されるまで売りエントリー

3. 安値も高値も更新できずレンジ状態であれば、トレンド発生を待つ

4. トレンドを判断できないときは判断できるまで待つ

これだけでOKです!

補足:押し安値と戻り高値

上記の説明の中で、「最高値をつける直前の安値」と、「最安値をつける直前の高値」というふうに書きましたが、「最高値をつける直前の安値」のことを「押し安値」、「最安値をつける直前の高値」のことを「戻り高値」と呼びます。

ダウ理論では、この押し安値と戻り高値が重要です。ここでは、普通の高値と安値とは違うということを覚えておいてください。高値と安値は、チャート上にいくつでも見つけることができます。

一方、押し安値と戻り高値は違います。1つの時間軸のチャートにおいて、押し安値か戻り高値のどちらか一方だけが存在します。また、押し安値と戻り高値はチャート上にただひとつしか存在しません。なぜなら、押し安値と戻り高値は、高安値を更新する度に移動するからです。ここがポイントです。

つまり、1つの時間軸のチャート上には、押し安値か戻り高値のどちらかが、ただ1つだけ存在するということです。

そしてこの押し安値または戻り高値をレートが抜けてくる時が、ダウ理論で言う「明確な転換シグナル」なのです。

ダウ理論 まとめ

最後に、ここまでの要点をまとめました。

ダウ理論 ~6つの基本原則~

①価格(チャート)はすべての事象を織り込む

テクニカル分析で期待値の高い仮説を立てましょう

②トレンドは短期・中期・長期の3つに分類される

3つを把握し狙いをいずれかに定めましょう

③トレンドは3段階で構成される

自分の手法で獲れるのはどの段階か把握しましょう

④平均は相互に確認される必要がある

余裕ができたら複数通貨を監視してみましょう

⑤トレンドは出来高でも確認されなければならない

出来高を伴うトレンド継続・転換は信憑性が高いです

⑥トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する

高値と安値に注目し、自分の狙いを明快にしましょう

こんな感じでダウ理論は、日々のトレードで大切な基本中の基本を教えてくれます。基本をおろそかにしてはいけません。トレードで勝つことは、何か誰も気づいていない、とんでもない秘密を暴くという感じではなくて、普通の当たり前のことを、誰よりも徹底的にこなすという、シンプルなことだと思います。シンプルですが、難しいものです。

これまでに解説した水平線と平行チャネルについても、今回のダウ理論を踏まえた上で復習すれば、さらに理解が深まりますよ!

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