ブレイクアウトとは
ブレイクアウトとは、多くの市場参加者に意識されるレートを、ローソク足が抜けることを言います。レンジやチャートパターンによってもみ合ったあとに、節目を突破することは一般的にブレイクと呼ばれています。基本的にここでは、「ブレイク」も「ブレイクアウト」も「節目を突破」も、同じような意味合いだと思ってください。
以下に基本のブレイクアウトの例を5つ挙げます。
- サポートやレジスタンスの水平線を抜けた時
- 平行チャネル(斜めのレンジ)を抜けた時
- トレンドラインを抜けた時
- トライアングルが成立した時
- 三尊・逆三尊のネックラインを抜けた時
今回は、ブレイクアウトしたローソク足がどういう動きを見せるのか、どういう傾向があるのかという基本の話をしていきます。ブレイクアウトに対応できるようになれば、トレンド継続やトレンド転換に対応できる術が増えて、勝率や獲得値幅が向上します。
ブレイクアウトとその後の基本
①リターンムーブ
多くの市場参加者に意識されているラインを突破したあとに、ローソク足が一時的にそのラインへ戻ろうとする動きのことです。突破されたラインが、“本当に多くの市場参加者に意識されていた”のであれば、リターンムーブは最後のあがきであり、突破した方向に強い動きを見せる傾向があります。
②ロールリバーサル(サポレジ転換)
まず、水平線のロールリバーサルについて見ていきましょう。
多くの市場参加者に意識されるサポートラインを、下方向にブレイクアウトした場合、そのサポートラインは後々、レジスタンスとして機能する傾向があります。
逆に、多くの市場参加者に意識されるレジスタンスを、上方向にブレイクアウトした場合、そのレジスタンスラインは後々、サポートとして機能する傾向があります。
節目の突破によって“市場参加者の目線が裏返る”ことで、サポートがレジスタンスになり、レジスタンスがサポートになるため、ロールリバーサルとか、サポレジ転換と呼ばれています。ブレイクアウト成功を確認するためのサインのうちの1つでもあります。
同様に、平行チャネルでもロールリバーサルは見られます。天井として機能していた平行チャネルの上限を上抜けしたあと、それまで滞在していた平行チャネルに戻ろうとする動きをローソク足が見せます。これはリターンムーブです。
そして、リターンムーブでその天井ラインまで戻ってきましたが、市場参加者の目線はすでに裏返っているので、天井が床に変わって反発上昇していきます。これがわかりやすい例です。私は、トレードする上で最も意識すべき要素だと思っています。
③成功後トレンドが次の局面へ移行する
多くの市場参加者に意識されるレートを、ブレイクアウトに成功することで、トレンドは次の局面に移行します。「トレンド反転」でもなく、「トレンド継続」でもなく、「次の局面に移行」というのがポイントです。どういう局面に移行するのかというのは、次の3択になります。
①上昇トレンドが発生する
②下降トレンドが発生する
③レンジが発生する
このいずれかです。
上昇のトレンドラインを下方向にブレイクアウトしたからといって、必ず下降トレンドに転換するわけではなく、別角度の上昇トレンドが発生する可能性もあります。しっかりダウ理論の、高値安値の切り上げ切り下げに注目して、ブレイクアウトだけに囚われすぎず、環境認識をすべきです。
ちなみに、「節目を突破したと思ったら、またレンジになってしまった…」という場合、自分が注目していたラインは、市場参加者に意識されていなかったか、もしくは上位足での重要な節目に到達したということが考えられます。
④継続のブレイクアウトに成功でトレンドが加速することがある
当サイトでもこれまでに、「トレンド継続チャートパターン」をいくつも紹介してきました。例えば、上昇トレンド発生中のアセンディングトライアングル成立や、下降トレンド発生中の逆三尊否定などです。
このような、トレンド継続チャートパターンを確認するには、重要なラインをブレイクアウトする必要があります。そして、トレンド継続チャートパターンで、ブレイクアウトが確認できたら、トレンドが“加速”することも多々あるのです。
例えば、上昇トレンド中にアセトラが成立したら、そこからさらに急角度で上昇トレンドライン(または上昇チャネル)が引けるようになるというイメージです。つまり、加速により急角度を見極めることができれば、その線を軸に追撃が可能になります。
加速により発生したトレンドラインは、狙いのローソク足から下の時間軸に変えると確認しやすいです。例えば、4時間足で上昇トレンド中のアセトラ成立を確認したら、1時間足に切り替えます。そして1時間足で急角度のトレンドラインを引いてみて、その線を軸にロングエントリーをするというイメージです。
加速する前の4時間足のトレンドラインまで、引きつけてエントリーを狙うというパターンも王道ですが、勢いがあってなかなかエントリーしたい位置まで戻ってこないこともあります。そういうときは、加速を意識してラインを追加し、追撃を狙うという選択肢もあるということです。
またトレンドの加速は、3段階くらいに分けて確認できる傾向があります。ゆえに、「4回目の加速はあまり上まで伸びなさそうだから、ロットを小さくしようかな…」という風に、戦略を立てることもできます。もちろん100%ではなく、あくまで傾向です。
ちなみに、FXでは”3“という数字が重要になることが多いです。三尊と逆三尊、エリオット波動の3波、酒田五法にも”三“が出てきますね。
⑤ブレイクはダマシが多い
節目を抜けそうな動きを見せたから、ブレイクアウトするかと思ったけど、せずに戻ってきた、という状況を一般的に「ダマシ」と言います。ダマシには次の2パターンあります。
ダマシのパターン1
1つ目はヒゲだけをつけるダマシです。見ているローソク足によって考え方は変わるかもしれませんが、私は4時間足をメインにトレードしています。そして、ローソク足が節目を突破しようとしたけど、4時間足が確定するまでに戻ってきて、結果的にただヒゲをつけただけで終わったということは、よくあります。
ヒゲだけをつけるダマシについては、トレードルールに、「足の確定をしっかり待つ」というのを組み込めば回避できます。足の確定を待つかどうかは、トレードの回転率によって違うと思います。ゆったりスタイルのスイングトレーダーさんは、節目の突破を確認したいなら、足の確定をしっかり待つことがおすすめです。
「足の確定を待っていたら置いていかれるよ! 」と思っても大丈夫です。リターンムーブが発生する可能性があります。リターンムーブが発生しなかったら、もう自分のルールではとれない動きだったと潔く諦めるしかないです。ダマシにあって損切りになるよりマシです。
ダマシのパターン2
ダマシの2つ目のパターンは、しっかりとローソク足が自分の引いたラインを突破して、ローソク足が確定するのを待ってからエントリーしたにも関わらず、戻ってきてしまったというパターンです。
これに関しては、厳しい言い方になりますが、おそらく節目の見極めを間違えたか、上位足の環境認識が欠けていたかのどちらかだと思います。つまり相場が騙してきたのではなく、自分が勝手に騙されただけという見方ができます。正しいのはいつもチャート側です。
初心者さんが、「騙された!」 と感じるパターンのほとんどは、「ただ自分が、良い節目の位置を勘違いしていただけ」です。冷静にあとから振り返れば、もっと良い斜めのラインがあったり、もっと良い水平線があったり、上位足の節目にぶつかっていたりすることもあります。
ダマシについての余談
そもそもダマシとよくいいますが、ちょっと他責思考っぽいので、あんまり積極的に使っていい言葉ではないです。ちゃんと環境認識をして、チャートパターンを確認して、重要な節目のラインを引いて、ブレイクアウトを待って、ローソク足確定を待って… それでもブレイクアウトが成功しなかった場合、ただ自分の引いたラインが間違っていただけか、上位足のより強いトレンドに跳ね返されただけです。
ダマシと考えて感情的になるのではなく、そんな時こそ冷静に、分析をイチからやり直すのがおすすめです。もちろん、正しい節目を見極めることができた上で、ブレイクアウトの成功を確認したら、必ずエントリーしてポジションを保有するというわけではないので、そこは注意が必要です。くどいようですが、FXに勝率100%はありません。
ブレイクアウト成功率
ここまで、ブレイクアウトの基本について解説しました。ブレイクアウト後にしっかり値動きが発生し、強い勢いを見せることをブレイクアウト成功と定義した上で、次はブレイクアウト成功率の基本について解説します。
①節目で揉み合いが起きるとブレイク成功率が高まる
注目の水平線やチャネルの節目でローソク足が揉み合うと、その後ブレイクアウトしたローソクは勢いがついて伸びやすい傾向があります。三角の先端で小さなレンジや十字がたくさんできると、「これを突破したら伸びるぞ!」と構えられるわけです。
これは単純に、たくさん揉み合うことによって、売り買いともにたくさん注文が入っているからです。たくさん注文が入った上で、多くの市場参加者が意識するレートをブレイクアウトすれば、多くの損切りによって値動きが大きくなりやすいからです。節目を突破して、大きい値動きが発生すれば、市場参加者の目線は裏返ります。
ブレイクアウト直前の節目で揉み合いが起きていれば、ブレイク後にレンジになる可能性も低くなります。逆に言えば、意識されているラインのはずなのに、意外とあっさり通過されてしまうとダマシになりやすいです。あっさり抜けてしまうということは、別に多くの市場参加者には意識されていなかったので、注文も入らなかった、だから伸びないということです。
②チャートパターンの揉み合いが長いほどブレイク後のダマシが減る
この理屈は、上述①と同じなのですが、チャートパターンがあっさり終わってしまうと、ローソク足がなかなか伸び切らない傾向があります。
例えば、上図のダイヤモンドフォーメーションなら、上下ともに何度も何度もタッチすることで、チャートパターン成立後のトレンドの精度が高まります。「あれ?意外とあっさり抜けた…」なんて時は、そもそもそこにダイヤモンドなんてなかったという場合が多いです。
③ブレイクによって複数トレンドが一致する場合、強い値動きになる
例えば、1時間足の上昇トレンドの最中に反転の三尊が成立することによって、ネックラインのブレイクアウトで1時間足が下降トレンドに変わったとします。そして環境認識をしたら、4時間足、つまり上位足はもともと下降トレンドだったとします。
そうすると、1時間足が上昇から下降に反転することで、複数トレンド一致となり、ネックラインをブレイクアウトした後のローソク足が、伸びやすい傾向があります。複数トレンドを把握することは、ブレイクアウトの成功率を判断する上で重要です。
ブレイクアウトの基本 まとめ
今回は、ブレイクアウトの基本とブレイクアウトの成功率について解説しました。ブレイクアウトに対応できれば、トレンド継続判断や、トレンド反転判断が非常にしやすくなるので、意識してみるようにしましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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コメント
これって「すばるライン」ですよね。
なんか本家より分かりやすかったです!